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posted on 2021.05.15 (Sat) 2023.06.16 (Fri)

ターミナルでdefaultsコマンドを使ってマウスとトラックパッドのカーソル反応速度の最大値を変更。

macOSの「システム環境」にある「マウス」の設定で最速にしてもMagic Mouse 2のカーソル移動速度が遅かったので最大値の変更方法のメモ。

 

  • macOSは、マウスの移動速度によってカーソルの移動距離が変動する。
  • Windowsは、マウスの移動速度によらずマウスの移動距離に対してカーソルの移動距離が一定。

 

以下のどちらかで対応。

  1. マウスの速度に対応したカーソル移動距離の設定レートを変更して、低速度でも移動距離が大きくなるようにする。
  2. カーソル移動距離が速度の相対値になる機能をオフにして、マウスの移動距離に対してカーソルの移動距離が一定になるようにする。

 

GUIのリンゴマーク > 「システム環境」 > 「マウス」 > 「軌跡の速さ」で設定できる最大値よりも大きくするには、ターミナルで「defaults」コマンドを実行してマウスの移動速度に反応する設定値を変更する。

[ defaultsコマンド ]

plist(property list)と呼ばれるMac内のアプリやシステムの設定が記述されているファイルを指定して、設定値の追加、変更、削除、検索を行うコマンド。(「User/Library/Preferences/」ディレクトリ以下のplistファイルが対象。)

「defaults」コマンドの詳細は、「man」コマンド(「man defaults」)でマニュアル参照。

※ Xcodeで、該当する設定ファイルを開いて内容を直接変更すれば、ターミナルでコマンド操作せずにGUIで同じように設定値の変更ができる。

 

macOS High Sierra バージョン 10.13.6
ターミナル バージョン2.8.3 (404.1)
bash, version 3.2.57 で確認。

 

マウスの速度に対応するカーソル移動距離のレートを変更

マウスが低速度のときにカーソルの移動距離が小さいのはメリットもあるので、機能をオフにしたくない場合は、速度による移動距離のレートの設定値を上げて移動距離が大きくなるように変更する。

 

ターミナルから「defaults」コマンドで、マウスの設定値などが記述してあるplistファイル内の値を編集・上書きする。

 

1. 設定したい数値に変更する方法

設定値を「12」にする場合。

(今回の環境では、GUIの「システム環境設定」 > 「マウス」> 「軌跡の速さ」の設定だと、最小値 0、最大値 3。)

※ 再起動しないと実動に反映されないので、そのまますぐにリブートする。(GUIの「軌跡の速さ」で変更した場合は、再起動しなくても実動に即反映される。)

defaults write "Apple Global Domain" com.apple.mouse.scaling 12
sudo reboot

defaults write ドメイン キー名 値 : 指定したドメイン内の指定したキーに値を書き込む。指定する名前の文字列にスペースが含まれる場合はダブルクオーテーション(“)で囲う。

引数の「Apple Global Domain」は「NSGlobalDomain」と同じで、アカウント全体に適用される設定が記述されている「.GlobalPreferences.plist」ファイルの指定。defaultsコマンドのオプション「-g」(-globalDomain)で指定しても同じ。拡張子を省いたファイル名でも指定できるので、この場合は、「”Apple Global Domain”」、「NSGlobalDomain」、「.GlobalPreferences」、「-g」のどの指定でも同じ。

sudo -u ユーザー コマンド : 指定した別のユーザー権限で指定したコマンドを実行。ユーザーの指定(「-u ユーザー」)を省略するとroot権限で実行。

reboot : OSを直ちにシャットダウンして再起動するコマンド。

 

[ Xcodeで変更する場合 ]

Xcodeで上記と同じ操作をする方法。

  1. Xcodeで「User/Library/Preferences/」ディレクトリにある「.GlobalPreferences.plist」ファイルを開く。
  2. Key「com.apple.mouse.scaling」の行の「Value」の値を変更して上書き保存。
  3. Macを再起動。

 

2. 現在の設定値を確認する方法

ターミナルで現在の設定値を確認する方法。

※ GUIの「システム環境設定」以外で設定値を変更してから再起動をしていない場合、設定値は実動とは異なる。

defaults read -g com.apple.mouse.scaling

defaults read ドメイン キー名 : 指定したドメイン内の指定したキーの値を出力。

 

3. トラックパッドの場合

設定値を「5」にしてリブート。

※ キー名「com.apple.trackpad.scaling」の値を変更する。

defaults write -g com.apple.trackpad.scaling 5
sudo reboot

トラックパッドの現在の設定値を確認するコマンド。

defaults read -g com.apple.trackpad.scaling

 

 

速度で移動距離が変動する機能をオフにする場合

速度による移動距離の変化を完全に無くしてマウス移動に対するカーソル移動の距離を一定にしたい場合は、この機能をオフにする。

 

1. 機能をオフにする方法

機能をオフにしてリブート。

defaults write -g com.apple.mouse.scaling -1
sudo reboot

※ トラックパッドの場合は、キー名に「com.apple.trackpad.scaling」を指定。

 

2. 機能をオンに戻す方法

機能をオンにしてリブート。(「1」以上の設定値に変更してリブート。)

※ GUIのリンゴマーク > 「システム環境」 > 「マウス」 > 「軌跡の速さ」 で設定変更すれば、コマンド操作や再起動しなくてもすぐに設定値が反映される。

defaults write -g com.apple.mouse.scaling 1
sudo reboot

 

 

 

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ターミナルでdefaultsコマンドを使ってマウスとトラックパッドのカーソル反応速度の最大値を変更。 | memo メモ [AG2WORKS]

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